ベランダの木日記

ベランダで盆栽(とは言えない和風の鉢植え)などを育て始めて4年目の新人です

古本のノスタルジアな匂い

以前、中村是好さんの「小品盆栽」という本を古本で購入したという記事を書いた。それ以来、結構な頻度でちらちらと読んでいるのだけど、この本、古本独特の郷愁を誘ういい匂いがする。本を入れるカバーが付いていて、これを函(はこ)と呼ぶらしいのだけど、この函がやばい。

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本を函から取り出したら、まず、空になった函の中の匂いを嗅ぐ。カビ臭さに甘い匂いが混じったいい匂い〜。で、カビ臭さは分かるとして、この甘い匂いは何なんだい?調べてみると、こちらのサイトに、

本がもともと持つ化学物質が、光、熱、そして湿気に触れることで分解され「揮発性有機化合物」(略:VOC)が、空気中に放出されます。VOCが放出されることにより、あの不思議と落ち着く、古書の匂いが漂い始めるのです。

とあった。本に含まれていた化学物質によって匂いが違うそうで、アーモンドの匂いだったりバニラの匂いだったりするらしい。「小品盆栽」はバニラっぽいかなあ。ちょっと古本屋さんに行きたくなって近くにあるか調べると、口コミで、「店主が優しい」「店主が気さく」「店主が面白い」とお店のご主人が絶賛されている古本屋さんがあった。これは行かねばなるまい!

 

山香ばし(ヤマコウバシ)はいい香りがすると聞いた。どんな香りだろう。そして、冬になっても葉が落ちないのだそう。少し前に盆美の展示で蜘蛛が降りてきてフフフとなった木だし、気になっている。あと、富士ブナとイワシデも気になっている。次は渋いのをお迎えしたいなあ。これからお迎えする子はじっくりと選びたい。

 

 

ヤマモミジと向き合う

我が家のベランダ棚場には10本のちびっこヤマモミジがいる。そのうちの年長さんの2本は2019年9月に公民館の盆栽講座で作ったヤマモミジで、講座の時が実生3年生だったので、今は5年生になっている。この年長さん2本に対して、今年の5月から積極的に芽摘みと剪定をしていて、今は下の写真のような姿になっている。同じ5年生なのに幹の太さが違うのは、去年まで入っていた鉢の大きさが違うから。鉢の大きさ(土の量)でこんなに変わるんだな。

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ちなみに、ヤマモミジ1の今年の4月と去年の3月はこんな姿。

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毎朝、この5年生ヤマモミジたちと向き合う時間が楽しみでならない。もう、めっちゃ話しかけている。「ここ、飛び出してるからチョンとしよか。いやー、ちょっと待って。あった方が素敵かな?うーん、迷っているうちは触らない方がいいよね。明日、また考えよっか。ここは混み合っているからどっちかをカットしよっか。うーん、こっちにするよ?どれどれ、ちょっと遠目で見てみるね。うん、なかなかいい感じ!まあ、未熟な私の目でだけど。あれだね。混み合っているところは芽かきとやらをした方が他に力を使えるのかな?もう少し、経験を積んでから頑張ってみるね。」みたいな感じで。本当に楽しい。あー、早く明日にならないかなー。喋りたい。

最近のベランダミニトピック

お花がどんどん少なくなっていくヒナソウの儚い感じがたまらなく好きで、ついついカメラを向けてしまう。

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その後、長く伸びた茎のお花が散ったので切り戻したら、なんかもう守ってあげたい感じになった。

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アサギリソウの小さい鉢に入れた大雪ヒナオトギリが咲いたーー!これこれー!この小ささよー!蕾なんてもう、鉛筆でチョンってしたくらいの点だし。今年はあちこちの鉢に飛び込んでいらっしゃるので、朝から小さくて可愛い衝撃を与えてくれそう。楽しみ。

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豆鉢日高ミセバヤの蕾はもう開花しちゃうんじゃないかという勢い。びっくり。去年の開花は9月頃だったはず。ちなみに大きな鉢の日高ミセバヤはまだ蕾はついていない。

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マジョール(多肉)のお花がキュートすぎる!こんな可愛いお花が咲くとは知らなかった!

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お花が咲いてびっくりした挿し木シロシタンは、結局、結実せず。ちょっと残念な気もする。そして、別の挿し木シロシタンにもお花が咲いた!もう、愛車で後ずさりしそうになるほどビックリすることもなかった。このシロシタン 、来年は可愛い鉢に入れたい。模様が入ったものがいいなあ。それまで元気でいてくれますように。

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余談コーナー。楽しみに見ているドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」が大変な展開になってきて動揺。。かごめちゃんが。。かごめちゃんの「忘れてね。そのことでわたしのこと見てほしくないんだよね。そこを持って私を語られるのがやなんだよね。私はそれを超えるアイデンティティをつくってきたはずだし、あるから」ってセリフが刺さりまくって大好きになっていたのに。。がんばれ、とわ子・・・!

 

ようこそ!我が家のベランダへーツクシカラマツ編ー

去年からお迎えしたいなあと思っていたツクシカラマツ。なかなか出会えなかったのが、先日たまたま通りがかって、どんな感じか一度見ておこうと入ってみた農協で出会った。こういうの嬉しいですね。全くノーマークだったところで不意に欲しかったものに出会うっていうの。

鉢を手にウキウキしながらレジに並んでいたら、先にお会計していたおじさまに「あら、珍しいもの持ってるねー。何?」と聞かれた。「ツクシカラマツですー」って答えたら、「へえー。いいのがあったねー。よかったねー」ってニコニコして言ってもらえた。私がよほど嬉しそうに見えたのかもしれない笑。

お迎えした時は蕾はまだキュッと縮こまっていたのが、2週間ほどすると少しずつほころんでふわふわ〜と開いてきた。ふおー、可愛いすぎるーー!鉢を持ち上げて下から覗き込むようにして見ると、こんもりとした葉っぱと伸びた茎とふわふわちらちらした薄桃色のお花が視界いっぱいに広がって、すっかりメルヘンの世界。

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長く楽しめるといいな。ああ、農協に立ち寄って良かった。ありがとう、農協。

 

モヤモヤと石菖の香り

去年、公民館で盆栽と植木鉢作りの講座があって、鉢が作れることと受講料のお安さに惹かれて参加し、黒松と長寿梅と石菖の寄せ植えを作った。でも、、ずっとこの寄せ植えに愛情を注げずにいる。。この半年、じっくり見ることもなく、ただただお水をあげるだけの毎日。。なんかごちゃごちゃしてしまっているからかなあ・・・って、どんな盆栽を作るのかも知らずに講座に参加したのは私だし、ごちゃごちゃに作ってしまったのも私で、寄せ植えに入っている子たちは何にも悪くないのだ。うう、胸が苦しい。。ダメだ!なんとかしたい!もっと好きになりたい!

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そんなことで、寄せ植えをやめようと思った。黒松と長寿梅を別々の鉢に独立させたい。この寄せ植えを作って半年しか経っていないけれど、根っこをいじらずに植え替えるなら大丈夫かな?やっちゃおうかな?と頭をよぎった。でも・・・。それでなくても、愛情を注げずにここまで来て、さらに私のわがままを通して植え替えるというのは大変申し訳なく思った。ここは、分厚くなった苔を剥がして撒き苔して、施肥して、黒松の手入れも頑張ってみて、距離を縮めてから来春に植え替えるとしよう。うん、そうしよう。鉢は多肉に使いたい♪

 

鉢の隅っこに植わっていた石菖はうまく掘り出せそうだったので独立させた。で、古い葉っぱを取ってお掃除していたら!めっっっちゃいい香りがするーーー!たまらんーーー!作業の手が止まってしまうわ。芳香成分は菖蒲と同じなんだそう。菖蒲の精油でも買ってみようかな。

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ずっとモヤモヤしていたけれど、方針が決まってスッキリ。嬉しい。

最近のベランダミニトピック

フウロソウを真横から撮ったら、いつもと違ってとても力強く見えた。葉っぱがモリモリ。元気そうで嬉しいな。

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ヒナソウのお花はそろそろ終わりに近づいている。でも、この枯れゆく姿がいいな。心に沁みる。

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草もの寄せ植えはとても賑やかになってきた。タチツボスミレがすごい盛り上がり。今年が1年目だからあと2年か3年植え替えしないでおいて、初めての根洗い仕立てにチャレンジしたい!ワクワクドキドキ。

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ウメバチソウの葉っぱが可愛かったので、葉っぱが可愛い鉢を集めてパチリ。良き眺めかな。

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乙女ギボウシの姿がとても好きだ。毎日、わりと長めに見つめてしまう。去年はお花が見られなかったのだけど、気になって葉っぱをかき分けてこそっと奥を覗いてみたら、蕾のようなものがいくつか見えた!楽しみだなあ。テカリダケキリンソウも去年お花が見られなかったのだった。今年はどうなの?どうなの?盆美の販売所にあったテカリダケキリンソウはもう咲いてたよ?と軽くプレッシャーかけたりして笑。

 

余談コーナー。美容院でのお話。もう5年くらい同じ美容院に行っているので、美容師さんともいろんな話をするようになった。先日も話し込んでいたら「ayumitさん、邪念を捨てるべし!ですよ。」と一言。かっこいい。惚れ惚れする。そうだ、邪念を捨てるべし!だ。

ヤマモミジーズの芽摘みと剪定

今年から「盆栽を作っていく」ことを始めることに決めたので、モシャモシャになってきていたヤマモミジーズも積極的に芽摘み(ハカマ取りも)と剪定をしている。手探り感満載だけれど、やってみないことには始まらない。新芽がどこに付いていて、どう動いてくるのか、剪定したところがどうなっていくのか、よくよく観察していこうと思っている。

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あらゆる方向からじっくり見つめて、どうなると素敵だろうとイメージする時間はとても楽しい。公園を通る時も、モミジがあれば立ち止まり観察したりして。中村是好さんの著書に書いてあった「盆栽はひたすら木に教わり、木の特徴を生かして自然に作ってゆくこと」。どういうことだか実感としてちっとも分からないけれど、この言葉を胸に刻んでやっていきたい。この小さいヤマモミジたちにたくさん教わろう。

 

余談コーナー。こちらの記事に書いた盆美の企画展。週ごとに盆栽が入れ替わって最後の展示を見に行った時のこと。盆栽が変わるとまた新鮮な気持ちで見られるなあと山香ばしの木を見ていたら、葉っぱの隙間から一匹の蜘蛛が糸をつたってスルスル〜と降りてきて、止まったと思ったら「やべっ!」って感じで慌てて登っていってまた葉っぱの隙間に隠れた。「今の〜!ふふふふ〜」ってなった私の気持ち、伝わりますでしょうか。可愛すぎた、あの蜘蛛。